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希少・難治性疾患に目を向けた医療、創薬、社会システムの構築を目指して―西村邦裕の「未来の医療のデザイン」(7)

2021年4月1日(木)    m3.com AI Lab (西村邦裕)   

毎年、約100万人が、新たにがんと診断されている(※1)。視野を広げて、日本における「総患者数」(※2)を調べると、主な傷病として、高血圧993.7万人、糖尿病328.9万人、脂質異常症220.5万人、悪性新生物(腫瘍)178.2万人、心疾患(高血圧性のものを除く)173.2万人、脳血管疾患111.5万人となっている。このように100万人以上も罹患する疾患がある一方、少人数しか罹患していない疾患、いわゆる希少疾患(Rare Disease)も存在する。人数が少ないために見落とされやすい希少疾患について、今回は紹介しよう。

筆者は現在、主にがんゲノム医療のデータ解析と意義付けを行っており、その中で、遺伝子バリアントに基づいて疾患を細かく分類している。さらに生殖細胞系列遺伝子のバリアントを見ると、希少疾患に関連したバ...