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VRで疼痛軽減、治療の不安や痛み和らげる効果も―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(5)

2019年9月24日(火)    m3.com AIラボ (松村雅代)   

第5回目となる今回は、VR(バーチャルリアリティ)の疼痛軽減についてお伝えします。VRによる鎮痛効果が注目されるきっかけとなったのは、第1回(『手術や治療を支援、医師が語るVRの臨床応用』)でお伝えしたように2000年に米国のUniv. of WashingtonのHoffmanらがPain誌に発表したVRゲームを重度熱傷患者に用いた症例報告でした。最初の試みからほぼ20年。疼痛軽減を目的としたVRは世界各地の先進的な医療機関で導入されています。例えば、イギリスでは、University Hospital of Walesが陣痛の軽減に活用しています。コンテンツは日本庭園や南極のペンギン等、自然の風景です。また、熱傷患者への適用も広がっています。こちらのコンテンツはゲーム形式で、患者のより主体的な参加を促す内容となっています。

VRの疼痛軽減効果は、その圧倒的な没入感で実現されるDistraction (気をそらす)にあるとされています。基盤となっているのは、主にControl Theory(MelzackとWallが...