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「ポスト安心希求社会」での個人と社会のあり方【前編】ー社会としての対策

2019年8月26日(月)    m3.com AIラボ (尾藤誠司)   

前回は「安心希求の意志と行動」とは「本当はその変容を止めることができない自己を、あたかも止めたように認識しようとすること」であるということについて解説を行いました。しかし、やはり自己変容は止められないので、止めようとする意志と実際に起きている変容との軋轢で起こる摩擦熱のようなものが不安の正体である、ということについての心的モデルの記述を行いました。そして、「病院」という閉ざされた、そのうえ「健康であることが至上の価値である」というドミナント価値観に支配された環境において「安心・安全」がスローガンのように謳われることについて、上述の心的モデルが強く関連していることについて主張しました。

少なくとも私は、この状況を超えていくための何らかの対策について提案したいと考えています。見せかけの安心を作り出す環境や社会、あるいは自分のこころは、「生きているのに生きていない」時間をいたずらに...